EXPE INTERVIEW LONG SET VOL.4

Question = K.Yamaguchi and Friends
Answer = Yoshitake EXPE
 
Q:nutronのリリースとPARAの活動もほぼ同時期ですよね?
 
A:PARAは、元々はPartieという名前で2002年頃かな、山本精一さんはベースで、チャイナがドラム、僕がギター、家口君が鍵盤で、即興を中心としたダンスミュージックを意識したセッション的なユニットでした。ちょっとジャズっぽい音響系な上物にベースがダブみたいな雰囲気で、初ライブは名古屋のギタリストKeiさんも参加しましたね。
その後、パートやメンバー交代を経てPARAになったのが2003~4年頃で、当初はツインドラムだったんですよ。
現在は構築された楽曲を演奏してますが、最初の頃は半分以上が即興でのインプロでした。
ですが、いわゆるジャムバンドみたいなライブには絶対にならない、というのが初期PARAの良さだったと思います。
 
 
Q:初期のPARAはツインドラムだったんですね。
そういえば90年代後半から2000年代にかけて頭角を現してきたシカゴ音響派のTortoiseなんかもツインドラムでしたね。同時多発的にそういう時代だったのですかね。
インプロでもジャムバンドみたいなライブにならないっていうのも意識がある種普通の事をしたくない、みたいな反骨精神というか、予定調和を排した実験的で新しいものを生み出すといったことに向いていたんじゃないですか。
 
A:あの頃は確かにツインドラムが多かったですね。
個人的には2000年代からプロツールズなどデジタル録音の普及によって、インディーズや個人レベルで編集や実験的なミックスが宅録で気軽にできる環境になり、その結果が音響派と呼ばれたんだと思ってますが、そういった実験的アプローチが盛んになったことや、70年代頃のマイルスデイビスの世界観が再評価されていたのも関係しているのかな。
自分のプロジェクトでもツインドラムはもちろん、一度ファイブドラムの編成でライブを行なったことがありましたよ。
 
PARAに関していえば、全員がバラバラの個性を持っているので、その人選をした山本さんは流石です。
当初はライブ前に1回だけスタジオに集まって簡単なテーマや構成を決めた上で、セッション的に積み上げていくスタイルだったんですが、次第に、コンセプトというか規則やルールをバンド内で作ってシステマチックになっていったんです。
山本さんがテーマを持ってきた”CUBE”と”ARABESQUE”の2曲が完成して、方向性が見えて来た時にドラムのチャイナが交通事故で亡くなって、それを乗り越えようとして生み出されたのがファーストアルバム「X-Game」です。
 
 
Q:X-gameをリリースしたのが2006年ですね。
Yoshitakeさんが現在の様に旅をしながら一年中ツアーをする生活スタイルに入ったのはこの頃じゃないですか?
 
A:そうですね。
正確にはあのアルバムリリースの数年前かな?2003年頃から年間ライブ130本くらい演奏をして各地を回るようになりました。
各地にツアーへ赴くことが増えてきて、当然ながら仕事をクビになったんです。笑
 
 
Q:アルバムリリースよりも前なんですね。
強烈で刺激的な大阪のアンダーグラウンドシーンから外に出ようと思った心境の変化はなぜ生まれたのでしょうか?
 
A:心境の変化があって大阪の外に出ようとした訳ではありませんよ。
PARAのアルバムの数年前に、nutronのアルバムがリリースされた頃、東京や九州からライブのオファーが来たのがきっかけです。
東京の初ライブを呼んでくれたのが、その後DJ Shhhhhで活躍する金子くんでした。
福岡ではCRJという大学生の音楽愛好家たちのラジオ番組でのカレッジチャート人気投票でNO.1になり番組に出演させてもらって、彼らのイベントに呼んでもらいました。
それまでは大阪でしか演奏してなかったので、反応があって呼んでくれたのは本当に嬉しかったです。
 
 
Q:最初はnutronでの活動が日本各地で知られることにより徐々に活動範囲が拡がっていったんですね。
一旦少し話がそれますが、初めて海外を一人で旅したのはいつごろになるのですか?
 
A:nutronの初ツアー前後にもシタール奏者ヨシダダイキチ君のプロジェクトでツアーを一緒に回ったり、東京へ映画音楽の演奏やライブのサポートで演奏に呼ばれたりしてたので、自然と旅へ出る流れがありましたね。
 
初めて海外を一人旅ですか? うーん、、
僕はずっと音楽中心に暮らしてきたから、海外旅行へ出る余裕はなかったのでですね、
海外一人旅という感じではありませんが、父が海外で亡くなったので骨を取りに行ったのが初めてですかね。
90年代末頃かな。
 
 
Q:そうなんですね。Yoshitakeさんは音楽と同様に旅も生活の中心に据えているものだと思っていました。それよりも音楽中心の生活をずっと続けることによって自然な流れで旅が発生してそれが継続しているんですね。
そうやって行く先々で色々な人と出会い、色々な土地に触れることはYoshitakeさん自身に何をもたらしてくれますか?
 
A:色々な事に触れたり様々な事を経験をして自分自身を体験したい、という気持ちが音楽を通じて実現してるので自分にとって音楽がとても尊く思うんですよ。
旅に限らず、人との出会いや偶然の必然や運命的なことが不思議で面白いので、何がどうなってるのか常に考察と観察中なんですが、ヒントや謎とともにインスピレーションを大いにもたらしてくれてますね。
 
 
Q:「自分自身を体験したい」という表現は初めて聞きました。
「自分は何者か」に近いニュアンスでも捉えることが出来ますがこの言葉の真意が気になります。
 
A:音楽を続けてる中で、自分の個性って何だろうって考えるのですが、尊敬したり憧れたりする人と同じようなことをするのではなくて、自分の特性をうまく生かして自分自身を自然に成長させていくことなんだろうと思うんです。失敗や努力も伴いながら。
それは自分自身をより深く知ることであったり、そのために色んな状況に身を置くことや実験することも有効です。
EXPEというプロジェクト名はこの体験(experience)・実験(experiment)からきているのですが、僕たちは自分自身を体験するために、生まれてきたのではないかと思っているんです。
 
 
Q:音楽にはそうやって何かしら導いてくれるパワーがありますよね。
 
A:音楽に限らず、ただ道を歩いていても常に何かに導かれるんじゃないかな。
僕にとっては音楽からの繋がりがほとんどなので、音楽が特別に最高だと思ってますが。
 
 
Q:何がどうなってるのか、というのはより具体的に言うとどのような事ですか。
例えば世界情勢であったり、人間の神秘?のようなものであったり、色々な事が絡み合っているので一概には言えないと思いますが現在Yoshitakeさんが特に意識してフォーカスしている部分があればお伺いしたいです。
 
A:好奇心は際限ないので一概に言えないですよね。
真実はシンプルなんだと思いますが、フォーカスと言われれば、シンプルに答えると「今」ですかね。
経験や希望が「今」に反映してるのではないでしょうか。
言い換えれば過去と未来が「今」に反映してるとも言えます。

それで「今」をフォーカスするというのは、無心でいられる時間をできるだけ長くする事かなと思っていて、
それって矛盾してるようですけど。
 

つづく

 
次回の記事は2018/09/28(FRI)に更新です!
 

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